ヘッジファンドって何?

ヘッジファンドの空売りの仕組みって?運用戦略とともに徹底解説

ヘッジファンドの空売りとは?

ヘッジファンド投資家
藤田(ふじ)
ヘッジファンド投資家
藤田(ふじ)
こんにちは、ヘッジファンドBM CAPITAL完全ガイド管理人の藤田(ふじ)でございます。

ヘッジファンド関連のニュースを見ているとよく「空売り」という言葉が出てきます。

ヘッジファンドにおける空売りとは、手元にない株式を借りて売ることを指します。

ヘッジファンドにおける空売りとは

株価が高く、これから下がりそうな株式を借りて売り(=空売り)、株価が下落した段階で売った株式を安値で買い戻すことで差益を狙います。

投資信託などは運用規制が厳しい為、空売りにも一定の制限があります。一方、ヘッジファンドは運用戦略の自由度が高いため、下落相場の際も積極的に空売りを行って利益を狙うことができます。

それでは、ヘッジファンドの空売りのイメージをより鮮明なものにするために、過去の金融シーンで実際に利用された空売り戦略の実例を見ていきましょう。

空売りの実例①アジア通貨危機

当時経済基盤が脆弱で自国通貨の為替レートが不安定だったアジア諸国は、安定したアメリカドルとレートをそろえ(=ドルペッグ制度)投資先としてのリスク軽減を図りました。

その後もアジア経済は鈍化し、中国やアメリカの経済政策の影響を受け経済自体は低迷しましたが、アメリカドルの値動きにつられ何故か自国通貨が高騰する価格のゆがみが発生。

この経済実態と為替レートに欧米のヘッジファンドがズレを見出し、過大評価されている通貨に空売りを仕掛け、価格の歪みが解消された時点で買い戻し利益を出そうとしました。

結果、ヘッジファンドの空売りに耐えきれなくなったアジア各国の為替レートは大暴落。アジア経済全体でマイナス0.1%の成長と、アジア経済に大きな打撃を残しました。

空売りの実例②ゲームストップ

2021年1月、米ヘッジファンドが空売りしていたゲームストップ株を個人投資家が群をなして買い上げし株価は急騰。

ヘッジファンドが買い戻しを余儀なくされさらに株価を後押しし、米ヘッジファンドは年初頭時点での運用資産の50%以上を失ったとされています。

米ヘッジファンドVS個人投資家達の構図で、個人投資家が勝利した珍しいトレード事例ですね。

ヘッジファンドの空売り戦略のメリット・デメリット

それでは続いて、ヘッジファンドが空売りを活用するメリット・デメリットをご紹介します。

空売りのメリット

ヘッジファンドが空売りをするメリットとして、以下2点があげられます。

1.下落相場でも利益が狙える

先述したように、空売りは下落相場でも積極的に利益を狙うことができます。

市場の状況に左右されずに利益を追求するヘッジファンドにとって、下落相場でもプラスが期待できる空売りはもってこいの戦略です。

また、一般的に株価は上昇よりも下落スピードのほうが早いと言われています。よって、下落市場で空売りをすると比較的短期間でまとまった利益を狙える事も空売りを行うメリットですね。

2.レバレッジでハイリターンを狙える

空売りは信用取引と言い、信用と手元の資金の一部を担保に株式の借り入れを行うことで、まとまった金額のトレードを行うことが出来ます。

そんな信用取引の特徴はレバレッジ(テコの原理)が効くこと。レバレッジを活用すると、より多くの資産を流動化させることができます。

例えば、あなたが500万円分の株式を購入しており、10%の利益が発生したとします。この際の儲け分は当然50万円になりますが、同じ銘柄を信用取引で1000万円分購入していれば利益はその2倍の100万円になります。

このように少額で巨額な額のトレードを一気に空売りし、短期間でスピーディに大金を稼ぎ出せる事はヘッジファンドで空売りを活用するならではですね。

そんなダイナミックなトレードが出来るヘッジファンドの空売りですが、もちろんまとまったリターンを得られる反面、投資リスクも伴います。

空売りのデメリット

短期で一気に利益獲得を目指す空売りは、読みを間違えれば大きな損失を生む可能性も。

例えば、下落予測をして100万円で空売りした銘柄の予測が外れ、150万円に値上がりした場合。50万円の損失になります。

株価はどれだけ下がっても0円以下にはなりませんが、無限に上昇することはできますよね。

また、株式を借りる際に賃借料が発生する点もデメリットの一つと言えます。長期間保有し続けることで、手数料自体がコストに。

空売りを行うことで無限に損失が発生する可能性がある点、費用が発生する点は理解しておきたいです。

ヘッジファンドの運用戦略

これまでヘッジファンドの空売り戦略について説明してきましたが、ヘッジファンドの運用戦略は非常に多種多様です。

そこで今回はヘッジファンドの代表的な戦略、以下6つをご紹介していきます。

  1. 株式ロング・ショート
  2. グローバル・マクロ戦略
  3. イベント・ドブリン戦略
  4. 転換社債アービトラージ
  5. マルチ・ストラテジー
  6. CTA/マネージドフューチャーズ戦略

ヘッジファンド投資をお考えの方はぜひ参考にしてくださいね。

株式ロング・ショート

株式ロング・ショートとは、株価の値上がり・値下がりを利用して利益を得るヘッジファンドの運用戦略。

・安い株式を買い、高値で売る(ロング)
・高い株式を売り、安値で買い戻す(ショート)

ロングとショートを巧みに組み合わせ、上昇市場・下落市場といかなる時も利益を出せるのが特徴です。

メリット

・市場の善し悪しに関わらず利益獲得が期待でき、比較的低リスクで運用できる
・下落市場に強い運用法で、投資期間中の精神的なストレスが少ない

デメリット

・基本的には長期投資前提で、短期的に大きな利益は狙いにくい
・買いと売りの両方を同時に仕掛けるため、取引コストがかかる

グローバル・マクロ戦略

グローバル・マクロ戦略とは、経済の動向を予測し投資する運用戦略です。

グローバルマクロ戦略は、個別企業を徹底的に調べ上げるというよりは世界の経済動向を読み取り、複数の金融商品に資産分散し大規模に利益獲得を狙います。

世界中のあらゆる資産に分散するため、人員が必要となり大手ファンドでないと採用が難しい戦略です。

メリット

・様々な値動きをする複数資産へ資産分散を行うため、上昇・下落相場の両方でリターンを狙うことが出来る

デメリット

・運用者がマクロ的に幅広い知見を組み合わせて運用方針を決めるため、運用者の手腕に運用成績が左右されやすい
・複数商品に投資を行うため、投資者側から投資戦略がわかりにくい

イベント・ドリブン戦略

イベント・ドリブン戦略は、個別企業の重要な出来事(=イベント)を利用して利益を得る運用戦略です。

イベント例

・M&A(合併・買収)
・業務提携
・リストラ
・スピンオフ

一般的にイベント発生時は投資家心理などにより、株価が大きく変動すると考えられます。

対象企業の企業価値とイベント時の一時的な価格の歪みに投資し、歪みの解消時に売却することで利益獲得を狙います。

メリット

・企業に関するイベントを利用して利益を出すため、短期間でまとまった利益を狙える

デメリット

・会社経営など、投資に幅広い経験や知識が必要

転換社債アービトラージ

転換社債アービトラージとは、債券価格と株式価格の乖離を利用し利益獲得を狙う運用手法。

割安な社債を買い、同社発行の株式を売却した際の価格差が利益となります。

メリット

・買いと売りを組み合わせて運用を行うため、資産の値下がりリスクを軽減させることが出来る

デメリット

・信用取引を利用するため、値動きの読みを間違えれば大きな損失につながることも

マルチ・ストラテジー

複数の投資戦略を併用して一つのファンドを運用するのが、このマルチ・ストラテジー戦略。

多くの運用戦略に分散することで、ヘッジファンドの投資リスク軽減を図れます。

メリット

・複数資産に幅広く資産分散でき、リスクを抑えた運用ができる。
・偏りのない柔軟性のある投資が出来る

デメリット

・短期的には利益を出しにくい
・複数の投資先で運用するため、運用コストがかかる

CTA/マネージドフューチャーズ戦略

マネージドフューチャーズとは、金融工学や統計学をベースにコンピューターで様々な金融商品のトレンドを解析、分散投資することでいかなる相場でも利益を出せるよう運用します。

また、複数の金融商品を大量かつシステマチックに売買することで、市場の傾き局面で一気にまとまった利益獲得に望めます。

メリット

・上昇・下落相場の両方で利益獲得を狙える
・人間の気持ちや気分が入らない、規律を持った投資ができる

デメリット

・投資者側から投資状況が分かりづらい
・運用者の手腕に依存しがち

どんな戦略のヘッジファンドを選ぶべき?

さて、ここまで空売りを含むヘッジファンドの投資戦略を見てきましたが、実際これからヘッジファンド投資を行う上で一体どの戦略のファンドを選ぶべきなのでしょうか?

最後に、ヘッジファンド戦略の選び方のコツをまとめてみました。

1.リスク・リターン度合いでヘッジファンドを選ぶ

リスク・リターンを定量的に表現することは難しいですが、証券会社の調査分析レポートなどを参考に大体のリスクやリターンの大きさを測ることはできます。

ヘッジファンド戦略

各戦略ごとに得意な相場は異なるので、年度によっても想定リスクと期待リターンは異なります。

投資をする際には、戦略のリスク・リターンを把握するだけではなく、どのような状況に強い・弱いのかを併せて確認し、ご自身の目的にあった選択ができると良いですね。

参考にしたいレポート

日興リサーチ ヘッジファンド概況

投資初心者の方であれば、特定の相場でまとまった利益を出せるヘッジファンドを選ぶというよりは、長期的に安定した利益を望めるヘッジファンドへの投資をおすすめします。

ヘッジファンド投資になれる意味でも、まずは高利回りを狙うよりかは、利益を出せる確実性が高いファンドを選べると良いでしょう。

2.ご自身が理解出来る戦略のヘッジファンドに投資

正直、投資初心者が機械で高速売買するようなヘッジファンドに投資してしまうと、現在自己資産が何でどう運用されているか理解しづらいのが事実。

投資において「理解できない」というのは最大のリスクです。

ヘッジファンドの運用状況を常にウォッチし、厳しい目線でファンド契約の継続・解約を判断する為には、ファンドの現状を自分で理解する必要があります。

ファンドから送られてくる運用レポートを読めばご自身でどんな運用が行われているか理解できるファンドに投資したいですね。

株式の売り買いというシンプルな手法で投資初心者にも理解しやすい点、かつ冒頭で説明した空売りを活用することで市場の下落相場でも積極的に利益獲得に望める点は嬉しいです。

日本国内にもBMキャピタルのような株式ロング・ショート戦略を取るファンドも数多く存在しているので、これからヘッジファンド投資を始める方は株式ロング・ショート戦略のヘッジファンドから検討を始めるのもおすすめですよ。

今回紹介してきた内容が、皆さんのファンド選びの参考になれば嬉しいです。

ABOUT ME
藤田 良
アメリカの大学卒業後、現地日系メーカーでマーケティングに従事。30歳で日本に帰国後、FXや投資信託などで投資を始め35歳でヘッジファンドに出会い、その魅力にはまる。現在はヘッジファンドBM CAPITALを中心に約2000万円を運用中。他管理サイト⇒・ヘッジファンド情報を語っているnote『ふじ』・投信信託について綴っているブログ『ふじのインデックス投信ブログ』《所属団体》両国投資研究会//▶藤田良のプロフィール詳細はこちら

【平均利回り10%以上を継続中】
投資先で迷ったらBMキャピタル

BMキャピタル

「過去に自分で投資をして失敗したので今度はプロに任せたい」
「ヘッジファンドに出資したいけど、どこがいいのかわからない」
「退職金が入ったので投資に回したい」

上記のような悩みがある方には、日本のヘッジファンド「BMキャピタル」がおすすめです。

BMキャピタルの特徴
  • 2013年の運用開始以来、平均年利10%以上を継続中
  • 運用開始から10年以上マイナスの年ゼロ
  • 直近6年の資産価値は2倍

最低投資額は1000万円(1000万未満も相談可)。比較的出資しやすい金額設定のヘッジファンドです。

より詳しい情報は無料の資料請求や運用相談で聞けます。面談では特に営業されることもないので、まずは話を聞いてみてください。

公式サイトはこちら

詳細ページはこちら